プログラマーが取ると役立つ資格は、基本的にベンダー資格と国家資格の2種類に分類される。
ベンダー資格とは、マイクロソフトやオラクルなど、ベンダー企業が自社製品についての技術認定を目的として資格制度を設けているものだ。受験費用が国家資格に比べて高く、資格が製品のバージョン毎に区分けされているため、最新の状態を維持するのが難しい。国家資格は、情報処理推進機構主催の情報処理技術者試験のことを指す。ベンダー試験と比べ受験費用は安めで、一度取得すればバージョンアップがないためずっと保持できる。
両方に共通していえるのは、資格を取ってもスキルアップにはつながらないことだろう。
なぜなら、どちらの資格も実務を意識した造りになっていないからだ。ベンダー資格は幾分か実務を意識しているが、国家資格はほぼ情報処理の知識についての内容となっている。したがって、学んで損ではないが、実務にそのまま活かせるわけではない。
しかし、実務に役立つ資格という視点から考えると、2つの利点がある。
案件の参加条件に一定の資格保有が設定されている場合、顧客が官公庁の場合が多く、案件の受注自体に高度区分の資格保持者が要求されるケースがあるのだ。また、プロジェクト参画時の選考の材料として考慮される場合、経験や実績が同じならば、資格を保有している者がより勉強熱心として採用されやすくなる。このように、資格を取ることは、仕事の幅を広げるために欠かせない要素となるのだ。